考察8・ダークエルフの口づけ 読書評

考察8・ダークエルフの口づけ
読書評
かなり詳細に事件を作り込んでいる代わりに、ファンドリア首都商館周辺、程度が舞台では活かしきれない。そんな捉え方が出来るかも知れない作品。
 
基本的には、ダークエルフの口づけに出てくる各巻敵連中は長生きできそうに見えない。種明かししてみれば、刹那的な選択で予定された滅亡を遂げていく。
 
しかし、舞台の設定が戯画であり縮図、と考えれば別な楽しみ方が出来る、気がする。
 
私は、商館派がドレックノール
ダークエルフの長老達を死神の黒幕、と捉える見方がいいかと思う。
 
ダークエルフの口づけで破滅してきた連中は、寧ろ死神の尖兵達に似ているので無いか。
ダークエルフの長老達の手駒が。
1或いは多用するのが愚かな、高位デーモン軍団達。
2ベラなど他勢力内偵組、交渉役。
3末端、たち
と大別してみよう。
 
ダークエルフの口づけ、の場合、2が→多くは3、偶に勝てない相手で1が出てきて戦う。そういうケースばかりなのでは無いか。
 
1のコントロールを離れた、または1のコントロール通りにかませ犬となった3を2が制裁していく。
そういうストーリーな気がする。
 
2からしてみれば、長老達には1から距離を置いてもらえるのが、心の平穏の道とみる。
 
 
が、実際には1の社会参画、現地での受注機会増大に繋がる作戦、ばかり起きて居るのだと見る。
 
四、五巻で、吸血鬼が警備と傭兵を殺しまくった理由は、そこを1が命令の枠で図る、受注ライバル→人類傭兵の相対評価低下の意図のコンペでもあった。そう捉える。
 
ドレックノールに対する、反ドレックノール闇組織達→3は、1の
「地域社会参画、現地での受注機会増大
に繋がる意図で挑まされているのかも知れない。
1としては。ダークエルフの長老達だけで無く、ドレックノールからももう少し金離れ良くして貰い、移民雇用市場盛況、に繋がって欲しいとみる。
 
3がドレックノールに対し劣勢である状況は、ダークエルフの長老達雇用者が自前の2の体力を顧みず、状況が悪くなるほど、1に、より依存する美味しい状況である。
そしてドレックノールも1との窓口強化→外注製の軍備開発競争に到ればより美味しい。第三者の銀行家のように。
 
 
なんというか、デーモン軍団の雇用機会増大案は、ジェノアの魔獣生物兵器のグローバル・コングロマリット化案と、アルゴリズムが似ている。
私の推理で発想だからか。
 
まあ、ジェノアが更に拡大路線を打ち出す盤面の変化に応じて、1の雇用機会作戦でのジェノアもより贔屓になってくれること、は。それなりに実現余地はあると思うが。
 
寧ろ、ジェノアの大計が実現しだしてからは、より互いの経済効果に繋がる、良い商売敵になると分析する。
 
両者の潜在顧客が内製を捨て、外注依存率を高める。それがグローバル化すると言うことだから、市場のパイも増大し、win-winだ。
 
話を変えるが
ダークエルフの口づけ、の場合、2が→多くは3、偶に勝てない相手で1が出てきて戦う。
一巻はエルフ・ダークエルフ達の報復論者、二巻はダークエルフを勢力間抗争の駒にしようとする第三者と、その策にかかった同胞。
三巻は第三者の意図通りの、権力者への蜂起過激派。
五巻が、好戦的な部族の長?
 
なんというか、ドレックノールを軸に見ると、
一巻がダークエルフ内部の対立派閥ー排他主義派。
二巻が死神の戦闘部隊ー内偵工作組。
三巻がザーン?→海賊王の民意と前線戦闘員。
四巻がリーファンの国家元首リュキアン。
五巻が海賊王一派
に見えてくる。
 
と言うか、そうなるとダークエルフの口づけにおけるアマデオは海賊王の系譜となる、と言うか、抗争で死んだのは影武者か。
 
もとい、その設定では、海賊王に関わる別組織が、商館派→ドレックノールの協力者の一部となる。
 
縮図としては、
商館ー公爵家ー五巻ボス。
ドレックノールーxー海賊王。
ドレックノールと海賊王にxと言う共通の取引先が居る?ザーンや他国の商会でないなら、暗黒教団系結社?それが公爵家のポジション?
ダークエルフの口づけ第三巻が、特に大きな縮図なのか?
 
四巻ラストのキーパーソンが岩窟王染みているのは、そういう。
成る程、イルマのような密偵・裏切り者対策の替え玉作戦か。恐らく、監獄にいる者も要職にいる者も。二名とも替え玉。
或いは替え玉の忠誠すらリトマス試験紙にかけているか。
四巻の信用できるものを警護に置くか、という公爵の話は。
実は替え玉にいる者の腕も不足、とコンペされる隙を生む感傷、と断じられてしまいかねない。
四巻、五巻の死者数を考えるとそうなる。
公爵家や商館派は、新たなタイプの側近を新規に求めるのが時勢・合理のようだ。
 
海賊王は替え玉として狙われやすい席だと言うこと。
監獄にいた替え玉も、囮。
監獄内の政争負け犬で、実はトドメが刺されてないものの死んだフリを警戒するための。敗者復活を狙い、同じ監獄の替え玉の捏造話を掴もうとするもの、捏造話をチャンスと見るものは、現在の反海賊王政権勢力有力者に接触するコネなどを捻り出す。そいつらを釣るための罠が岩窟王、と言うわけか。
岩窟王はメトラマイズ等で記憶を捏造されている。その前提で動くべき。
 
四巻では裏切り者がまんまと囮ーリトマス試験紙に引っ掛かった。でいいのか、裏切り者に共謀しているのが何人か分からない。それこそベラもメンバー、という反則かもしれない。
裏切り者グループに尻尾切りをさせるための釣り、という心理的罠のケースもあり得るけど。
五巻のイルマが鍵か。替え玉を使う心理はどこなのか。
 
三巻の反乱蜂起は、あれだけに留まる話ではない、ということか。
鏡の国の戦争、のIF のストーリーと言うことか。