考察1 ソードワールドノベル ジェノアの大計について、予想

ソードワールドノベル ジェノアの構想について、予想。
個人的には、サーラの冒険全六巻よりも、アドベンチャー、ナイトブレイカーズシリーズ三巻目辺りプロローグの方が余程ヒントになる。
先ず、ツインテールキャットの部下はジェノアを謀略の神と呼ぶが、卓抜していようとそれは大戦略的な本質ではない。
知将であり悪のカリスマ君主、と言えるチェザーレ・ボルジアをイメージするのならば、それこそサーラの冒険ex、IF 未来の女王、デルがふさわしい。
 
また、世界の未来を変える構想を描いている、という意味では魔法戦士リウイシリーズの指し手も近い。しかし、どこを拠点にしてどんな外敵を当面の敵に設定するのか、というところまでも見つめるのであれば、ジェノアは違和感がある。
国家指導者として指し手と互角以上の力量だろうジェノアは「知将であり君主」としては勢力内の権限が低く、個人的才覚や実績でメンバーを心酔させるに到る事業を、表だって行わない。
寧ろ極力水面下に出ない。どこまで大きくとも犯罪国家が他国への介入により権益拡大を図るーありきたりな利権闘争のトッププレイヤー、程度と認識されるように動いている。
地盤作りに必要だし、引き返せない段階に来たときに乱れなく組織統制・秩序維持を実現し、内外からの防護を図るために必要な布石である故に。手段と目的を擬装しながら勢力強化を図っている。
 
 
しかし、ジェノアの世界の未来に対する構想は、従来型の盗賊ギルド運営モデルに、革新の波をもたらすものだろう。
 
ソードワールドの世界を離れて見た時に、バイオハザードのアンブレラ社を幻視するものだと考える。
 
ジェノアロードス島シリーズで語られた、「盗賊ギルドの強弱は、所属する地域が豊かである程強くなる法則がある」という部分をよく理解している悪の君主である、と考える。
 
ドレッドノールが犯罪国家であり、国家元首が当代の他国の傑物と比較してずば抜けない、と考える限り。ドレックノール一国を如何に強化したとて大国に育てる戦略は合理的でない。
 
例えば、国家元首をより優秀なものに差し替え、より強国化を実現する改革と規範強化を図り、今まで以上に富国を図ることはジェノアがいれば出来るだろう。
それを踏まえた上でこの選択は賭けの部分が大きく、合理的でないため効率が悪く、故に戦略の発想自体を変えた方がよい。
 
解説すると。
「犯罪国家が一国であり、周辺地域と権力体制も大きく差違があり相容れず、危険視されており連帯の余地がない。」というのは富国策において致命的なことだ。周辺国と相容れない以上大規模な商取引の余地がなく、封じ込めを続けられるほど普通に交易を続ける周囲と、国力に差が開いていく。
仮に。
それをはねのける場合。強国化を実現できれば実現できるほどより周囲に危険視され、制圧と封じ込めを企図される。トップが優秀であるほど周囲との摩擦が加熱し予断を許せなくなる。だから国家経営者がとるべき戦略ではない。
 
ジェノアは、立志に到る段階でそこまで理解していたのだろう。知将として、乱世の覇道を為すことは早々に捨てた、と考える。
 
目指したことは、ナショナルな盗賊ギルドから、グローバルな非合法な商会財団へ転換すること、だと私は整理している。
だからアンブレラ社。
 
故に、古代王国の十門の中でも、倫理的に問題がある魔獣創造分野を自勢力のコア・コンピタンスに据えることにした。規制薬物、被験者。犯罪国家ドレッドノールだからこそ、表向きは王政を維持しているファンドリア以上にその面では優位に立つ面が多いと分析したのだろう。ドレックノールの特性を最大限活かせる領域、を見つけられたのだ。
 
ジェノアが立志段階からその発想を持っていたならば、指し手以上に異常だとすら言える。しかも、基幹メンバーを自分のみに従う非人類を取り込み固める、明確な「三点。差別化と、構想準備の偽装と、安全策ー裏切りや多重スパイ確率低下」の意図と打算のために、ファラリス教に入信したと分析する。
ロードス島の暗黒皇帝よりカリスマは劣っても、構想力で勝ると言える。
 
ドレックノールより国力がある国や優秀な魔術師がいる国はあっても、競合産業とはならない分野だ、と判断したからだろう。寧ろ、国家を挙げてそれを追求するものを規制してくれて、外国のライバルを減らしてくれる。国家ドレックノールの主幹産業を、ライバルである他国自らがグローバルな覇権体制を守ってくれる、共通の利害の把握と言える。
サーラの冒険六巻目に関しては、まさにジェノアの意図通りの戦略を「たなぼた」的にザーンのダルシュが採ってくれた。ザーン内部どころか、今回は迷惑とはいえ他国ドレッドノールまで取り締まってくれた。今後はドレックノール外部の魔獣生物兵器競合を潰す、利害が一致した相手になるだろう。
 
後は、研究開発から受託製造、運用・警備、軍事会社業務受託までも担う、魔獣生物兵器分野のパイオニア兼リーディングカンパニーとして組織を築けばいい。
近代的なコングロマリット基盤の構想。それはファンドリア商館勢力に勝る富の帝王だろう。
 
コングロマリット - Wikipedia
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将来的には
ドレッドノール盗賊ギルドの中の新設グローバル部門と従来型のナショナル部門を分離。第三者ポジションとして内外の脅威と渡り合いつつ、歴史的事件を待つ。
 
ジェノア自身は、
最終的に対ドレックノール国家連合に対する、独占販売権受命すらも狙いに入れそう。
多国籍軍相手の軍事権益確立後の最大の商機だ。
より解説すると。
ソードワールドノベル マンドレイクの館などで薬物関係の利権(市場流通量)を管理しようとしていたのも、一時的にドレックノールにその商材分野で覇権をとらせるため。
イラン・イラク戦争を見れば分かるが、孤立している国が非合法分野でトップに立てば、寧ろ多国籍軍制裁を受けかねない。
ソードワールドアドベンチャー ナイトブレイカーズシリーズの四、五巻で語られる天空の業火、健全な国だろうと国際的孤立を招く代物だった。作品中の王は賢かったと言える。
既存の麻薬とは言え、ドレックノールがどこまで麻薬市場をコントロール出来るか、正確に他国に認識されてしまっても国家間の緊張は増す。
まして、ドレックノールが商用ではなく、「自国軍備配備用に魔獣生物兵器を追求し他国が競えない水準だ」、という情報が流れ、一定以上の確度となれば。やはり多国籍軍によるドレッドノール亡国を招く。
 
ただし、ジェノアはその事(リスク情報の亡国脅威)を把握した上で、寧ろドレックノールを殺す毒(自爆装置)を自分でコントロールしようとしている。魔獣生物兵器コングロマリットを軌道にあげるためには、ドレックノール制裁発動のタイミングまで、ジェノアが一から十まで仕込むことが理想的だ。
ジェノアは、多国籍軍に加入する候補である国、の次期要人にコネを築いている。
 
それはどういうことか。
闇ギルド間の敵対勢力弱体化を図る偽装をしつつ、ドレックノールが取り込めれば薬だが、手のひらを返せば猛毒の強敵、というキーマンを少しでも押さえようとしている。
ジェノアがキーマンを抑えている、ということはジェノア自身がドレックノールを離反したときに、最強のプレイヤーということだ。意図的で邪悪なダンピール・バンパイアハンターですらある。「計画を知れば、他の幹部は必ず敵に回るだろう。」
しかも、デルを見れば分かるように、チェアマンとして次期要人に投資すらする。鏡の国の戦争でもそうだが、名伯楽ぶりが光る。
 
ドレックノールそのものの余命と構造的欠陥が見えているのならば、「如何に生まれ変わらせるか」、ではなく「如何に刈り取る利権を他人に渡さず・消耗品として最大限の利益を残すか」。それがボードゲームの合理性、と割りきりそうだ。
 
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント - Wikipedia
https://ja.wikipedia.orgwiki
製品ライフサイクル - Wikipedia
https://ja.wikipedia.orgwiki › 製品ライ...
で見た時に「ドレックノールそのものの商品としての鮮度」はどうか。ジェノアは早い時点で把握していたか。
 
恐らくはカリスマ性では上にいるだろうが、ジェノアはファンドリア・トップ商会経営層と、種類は同じプレイヤーだと見る。ダークエルフ・ベラシリーズがジェノアに近そう。
ナショナルな盗賊ギルドから見れば売国奴なのだろうが、あまりにも、勢力的なコスト対リターンが合理的である。
 
 
多国籍軍相手の第三者財閥による軍事権益確立。
特にリウイシリーズが示すが、ソードワールド世界で大国に傑物が善政を敷き、国力を増す中で。相対的に国力で引き離され、リソースを引き抜かれる中小国家群は如何な戦略を採るべきか。
 
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を視野に入れると、時代のニーズに則した流れを構想している、と納得できる。確かに、ジェノアが目指すところは古い形の帝王ではない。
地図における国境のー第三者ポジションのグローバル財閥というキングメイカーであり、大銀行家であり、大政商だ。
 
繰り返すが、
三者ポジション確立後のコネクションを見据えて。闇ギルド間の敵対勢力弱体化を図る偽装をしつつ、表世界の次世代に台頭する権力者候補に渡りをつけた。
公式作品かは不明だが、鏡の国の戦争に荷担した理由だろう。
サーラの冒険に関して言えば、始めはデルの養父周辺の需要にマークをつけていたのだと見る。
将来的な多国籍軍用の普通の武器類の軍事産業への窓口会社も、ドレックノール外部にギルドを通さず、私設してあることと見る。
 
あくまで私独自の予想に過ぎないから責任とれないが。