サモンナイト力作解明→二次創作クレスメント家史。ベイガーと、ウイルスと、ラゴウとメルギトスとリィンバウムの守護者。
初代と二代目を基点にした万丈の歴史

背景として、シルターンの竜神祭祀の道士一族が存在し、水神、雨乞い、海神祭祀を専門としていた。その一族は貴族位を持ち、官吏も担っていた。
そして嫡流ではない者の中に、何よりも臆病で見た目が頼りなく、しかし類い稀な素質を持つ男がいた。
その男は、当時まだメイトルパの力が強かった緩衝地帯の辺境に代官として任命され、赴任した。

また、ロレイラルのベイガーを指揮官とした軍隊がその土地リィンバウムを攻撃してきた。正規の軍隊では対応できない。現地政権は青と無色、合同の召喚士に頼り、検討の末に生物兵器ーウイルス兵器を採用し使用、ロレイラル軍を非戦闘員を問わず殺戮し、指揮系統を破壊しその侵攻を止めた。

その過程を経て、クレスメント家は表に出て行く。
始めに、クレスメント家が管轄する土地で疫病が流行った。原因は不明だったが→真実は国家側が使用したウイルス兵器が変異、暴走し、非戦闘区域にも伝播したことにより。リィンバウムの軍が作った兵器がリィンバウムの民を襲うため、つまり人間の過信と傲慢が原因だった。

優秀な術士だった家祖は、疫病を封じること自体は風属性の魔力を用いて、天狗の道祖神ー塞ノ神信仰を基に術を組み、封印できると分析した。
しかし、既に罹患している者に対する治療は、既存の治療法では対抗できなかった。幸い、ウイルス兵器開発に携わった蒼の派閥が、変異したものに対しても対抗薬を開発する目処を立てることが出来た情報を得た。しかし、治療薬は販売特許権込みの値段でないと、技術盗難される可能性により採算が取れず、売れない。つまり高値で買えと言われた。
マナを貨幣代わりに使う決済方法に活路を見いだしたが、不幸なことにクレスメント家が祭祀する神は、本人がシルターン内の出来事や神同士の戦乱に出ており連絡がつかない。
結局、ある契約をある相手に結んだ。
「クレスメント家は契約相手から多額のマナを借り受ける。その対価として、クレスメント家領地に契約相手の進出を求め、それの履行時にマナは報酬として扱われ返さなくて良くなる。ただし、クレスメント家側が後に定める期限内に、利子をつけトータルでー倍の額のマナを返すならば、契約相手の進出に関わる条項は撤廃とする。即ち、進出、不動産権はマナの貸与分の担保として設定する。」

本来は、クレスメント家の裁量を越えるため上の祭神の判断を仰ぐべきであるが、非常時の緊急避難として独断で決めた。
契約相手はクレスメント家の上である竜神と仲が悪い、悪魔メルギトスだったのだ。

貸与分のマナを用いて、疫病患者の多くの命を救えた。

そのまま割高の税を患者を含む民全員で返せば良かったが、扱いの悪さに民は不満を持った。民は債務契約のことを知らなかったのだ。

ラゴウ、と言う英雄を頭目にした、鬼の一団が反体制派勢力として蜂起、一時領地を乗っ取った。結果、鬼と仲が悪い悪魔が用意したゲートも、債務履行前に閉じられてしまった。悪魔側は、債務違約と見なした。

クレスメント家はラゴウの隙を見て、悪魔に状況説明を図る道もあったのだが、ゲートの封鎖は他人がやったこととして。期間内の債務償還に対しては、全く見込みのない状況で、裏切りの意志は誤解でも、契約通りの進出合意をする羽目になるのは何としても避けねばならなかった。

ラゴウの一件は、クレスメント家側を援助すると言ってきた当時のリィンバウム政権が、実際にはクレスメント家の拠点を囮に、ラゴウ側が総大将を含め軍勢でクレスメント家を襲いに行っている隙に。後方支援要員が大半になったラゴウ側本陣を制圧し、多大な恩を売り名声を独り占めした。紅き手袋などの傭兵も体制の貴族の依頼で動いたため、ラゴウ側の被害は悲惨で、忘れられた島のようであった。
ラゴウは、囮にされたクレスメント家側が拠点そのものを落とし穴のような罠として封印したため、制圧された。

体制側が大きな顔をするようになったが、メルギトスの進出は止められない。内情を知るものとして警告して回ったが、無視された。

また、メルギトスへの警戒を強める中で、別な勢力が現れた。ベイガーが再び現れたようだが、様子がおかしいらしい。派閥からの情報を元に、クレスメント家が対処することにした。非戦闘員で構成された亡命希望者と判断された。危険性が本人達に無くても、ラゴウや紅き手袋のような反体制派に保護されては、流出技術で組織強化され、後世の蜂起を招きかねない。問題の未然阻止のため、保護を申し出た。駄目ならば、遠巻きに監視しつつ援助し、別口が接触しそうになったところを拉致する予定だった。

すんなりいった。
関係構築に成功したため、対メルギトス用軍備強化も依頼した。
が、それが諸刃の剣だという理解がクレスメント家には欠けていた。
テイルズオブファンタジアテイルズオブヴェスペリアを見れば解ることだが、軍備開発は自然破壊を伴い、ひいては世界全体のマナ供給量衰退を招く。それが飢餓など物資難・エネルギー難を招いた。
実は、戦力や忠実な不死身の軍隊以上に、兵糧とエネルギー問題への解決として、召喚兵器開発は必要となっていたのだ。
一応は、国際的な信用を対価にメルギトス侵攻の被害は最低限に抑えた。リィンバウム側が物資難の時代で劣勢だったことを考えると、大戦果と言って良い。

が、召喚兵器開発時代が理由となり、新たな勢力図がリィンバウムに出現した。
つまり、ロレイラル以外の三世界のリィンバウム政権擁護派が、物資難を招く、はた迷惑な組織的な機械兵器開発ーを停止すべくクレスメント家以外の召喚士派閥への圧力を強化した。
その中には、ファミィのような、ミルリーフに近い精神性を持つ至龍の一族もいたようだ。彼らは、リィンバウムの守護者でもあった。
ある意味、クレスメント家はメルギトスに対抗しようとして、それ以上にやばい自分達の上役を敵に回した、つまり採算がとれない事態を招いた、とも言える。テイルズオブヴェスペリアの「人魔戦争を起こすぞ」、と言う脅しに対し、
「そちらの言い分が正しくて、公共の福利に適いますね」、と当事者以外の人類召喚師もなびいた状況、と言える。

政権擁護派は、度重なる不信行動を理由にクレスメント家から蒼の派閥に乗り換えた、とも言える。クレスメント家の元上司の竜神一族まで政権側についてしまった。

かくしてただでさえ疲弊している状況での新たな問題に、流石のクレスメント家も抗しえず、擁護派はクレスメント家よりは穏健だと見なした蒼の派閥に、機械兵器開発技術封じ込めを命じ、ライル一族の管理権を預けた。シルターン等戦乱の地にライル一族を連れ去ってしまうと、兵器開発競争によりその世界のマナがつきる恐れがあったため、比較的平和なリィンバウムに抑留した、とも言える。

付け加えるならば、サモンナイト4のギアンの主人公への誘いが大きなテーマである。
擁護派はリィンバウムにも反倫理的な召喚兵器に反対する理解者がいるのか、と喜んだのかも知れないがその裏は深い。誰もなんとか出来なかったメルギトスを、局地的には勝つことが出来た、召喚師クレスメント家と召喚獣ライル一族のツートップ体制は歪みを生んだのだ。確かに犠牲を前提にすれば、実力相応の地位だろう。しかし、彼らがトップであることはリィンバウム内部の下に甘んじるものー他の召喚師の対抗心を生んでいた。そこにタイミング良く擁護派が声をかければ、それは今のトップを追い落とし成り代わるチャンスと期待する心を生む。

また、本当に賢明な召喚師は危機意識から擁護派の話に乗った。サモンナイト2のルヴァイドの召喚術を越える召喚術、と言うように。軍隊としては、強力な戦闘用個体を術者の限度内で召喚するよりも。技術者と設備体制の基、製造体制を始めに作り。残りは召喚術抜きで、現地の関係者と技術者で運用し、軍備の自主製作ノウハウを普及させていけば、後は勢力規模と開発競争のトップが、物量戦の覇者として最強の軍隊を率いてリィンバウムの覇権を獲るようになる。
個人の召喚師が必ずしも頂点たり得なくする革新を呼ぶ、召喚師支配の時代の危機と言える。見過ごす方が問題があった。

かくして、勝ち目が無い敵を相手にする状況になったクレスメント家は、擁護派との全面衝突の前に、ライル一族以前からの付き合いの召喚獣達に→お家騒動のような諜報戦の果てに内部で制圧された。
一説には、長靴を履いた猫、がなりすましを多用してクレスメント家失脚の立役者となったらしい。人食い鬼ーラゴウとの戦いで有名になった、本人が牙を剥くとは皮肉なものだ。
が、北国への追放、で済ませた辺りは、やはり命を救ったと言えるのだろう。

そして、リィンバウム世界は軍の騎士と騎士達の王、聖剣の時代へ移っていく。