考察 とある科学の超電磁砲→読者目線の盛大な勘違い2021.04.30

考察 とある科学の超電磁砲→読者目線の盛大な勘違い2021.04.30
 
感想
ムシウタシリーズの中でも、三巻は傑作と言える。
構図はこんな感じ。
テーマは「復讐劇」
政府傘下の秘密組織の構成員がメインキャラ。メインキャラである構成員からすは、
その組織の実質的な権力者主導の作戦で、故郷の島と恋人を焼き討ちに遭わされ、復讐心を秘めたまま組織に付き合ってきた。
 
動機は三年前の事件以来ずっと持っていたが、単身でそれを果たす戦力は無い。また、拾ったはいいものの、組織はからすの戦力を、本人の満足できるように評価しなかった。現実的な理由で従ってきたが、復讐を待てない理由が最近出来始めた。
・記憶喪失を起こしているのだが。
からす自身が人体実験の被験者にされてしまい、このまま被験者していては、心身ともに再起不能になりそうだった。
・三年間、組織の激戦区で前線に立ってきた為、身体に無理が貯まって余命が見えてきた。
・組織内の政争により、スケープゴートによるスパイ事件の容疑者に、実績を評価されていないからすが、仕立て上げられそうだった。
・組織が非道な実験を行っている分、狙われる他の能力者に離反を誘うのが、容易になってきた。
・うってつけの高位能力者がからすの身近に来たばかりで、その組織や本部に忠誠心を持っていなかった。
好条件が重なった為、利用するつもりだった
高位能力者の要求に応える形で、逃走劇を始めた。
中略
はっきり言って高位能力者がわがままだったので、実質的に戦力にならず、からす本人が戦闘をこなしていった。
→逃走劇の最中、からす自らが、未練の無い仲間の血で、その手を汚していった。
→成績的には、火種四号から三号程度の戦力だったと推測される。自覚はないが、血中気圧変化の領域展開能力を使用していた。
また、能力はゴム質に関わるものであり、回避性能に併せ、耐久力は高めだった。そして、電気系の攻撃に強かった。
特筆すべきは、
逃走劇の中で組織の重要人物・C→情報班二号指定・堀内絵理衣と交戦し、勝利したことである。
 
後の展開から推測するに、一度は高位能力者と共に倒して、お仕置きで済ませたものの。
C自身が危険人物放置を良しとせず、追撃を再開。
 
三巻劇中に描かれない場面で、探索活動中だったCにからすは気付いた。また、仇である権力者の野望のコアである、人体実験においてもCが重要なことに薄々ではあるが勘づいていた。
あの高位能力者と違い、Cは組織の使命に染まっている。そして何より、脅威であるにも関わらず自らの復讐の邪魔を続けるようだ。姿を見せている、殺せるときに殺す→容赦する理由が無かった。
再戦時にからすは、復讐劇の方法に
→『仇・故郷を滅ぼした権力者本人の殺害ではなく。
→仇の野望に必要な、鍵である最重要人物・Cの破壊によって
→その野望を挫く。
生きたまま、野望が潰えた、惨めな未来を仇に見届けさせる』
選択肢に進んだ。
ムシウタ6巻、あさぎの最期。
高位能力者同様に、Cも重度の実験被害者として
→からすに対して逃走劇を望めば、違った未来があったのかもしれない。
→組織の使命に染まりきったCの中に、そんな選択肢は無かった。
 
Cは命令違反をして、逮捕相当の被疑者を独断で殺そうとしたために、からすにも正当防衛が適用される。
しかし組織の一員として、危険分子である高位能力者の被害防止のために、殺して止めようと戦った。
 
→戦闘の結果として、野望を叶えたのは、仇に必要なC破壊に成功した、からすであった。詳細は不明であるが、実験に用いられていた薬物をCに過剰投与することで、毒殺の形で抹殺した。
『Cとからすを分けたものは何か。色々あるが、
・権力者である仇を排除する必要は二人とも感じていたが、Cは組織の使命に染まり、からすはそうではなかった。
・分野は違えど、Cは組織に評価されており、からすは評価されていなかった。
ゆえに、憎んだのが組織全体か権力者本人かに分かれた。つまり、身内の評価が低いからすだから、それまでの仲間を、障害として排除しやすかった。
 
最大の理由は、
・Cは生け贄に近い形でも、仇に役立ち、野望に必要だった。からすは、そうではなかった。
→C本人の使命感の理由はどうあれ。
復讐劇の中で死んだ理由は、恨みを買いまくっている権力者の野望に、必要とされていたから』
そして、殺害したCに成り済まして、Cの権限でからすは、組織から機密情報の数々をハッキング。
盗み出した情報をカードに、Cがアクセス出来る他の組織と取引。組織の機密情報を対外的に売却することで、代わりに高位能力者とからす自身の逃走ルートを、他の組織に手配して貰った。
からすは、Cを殺害することで野望を叶え、勝ち逃げを果たした。
 
 
感想
アクセラレーターの言葉で言えば、
「悪党である権力者が、何の罪もないガキをテメエの都合で殺せるクソだろうが。
殺して良い理由もないのに、悪党じゃなくてガキの方を
→悪党に殺される前に先に殺した、復讐者は。そいつの仇とは別な、もっとどす黒い悪党だ。」』
ただし、私も気付くのに時間がかかったが、実験中に「アクセラレーターがその時の被験者のシスターズを殺す前に、別口の敵対者がシスターズを一人でも殺してしまえば」
その時点で実験は破綻し、二万人の内の未被験は、実験で殺される必要が無くなった
→それ以降、実験でいくら死んでも無駄になった。
 
 
上条当麻とは別な形で、実験を破綻させることは、誰かに出来たのだ。
そしてそのCが、本来別な誰かが助けたいと願い続けた、ガキ。
 
とある科学の超電磁砲シリーズでは、何故その子が誰かの野望で死んだのか?と読者が不条理さを感じるエピソードが多い。
 
しかし実は「その子」を殺傷した実行犯は、別な悪党の野望を挫く「使命」の為に、悪党自身じゃなくて野望に必要な「重要人物」を殺害していた。
 
テイルズオブシンフォニアにおける、アンチテーゼとも言える。
「ミトスを恨むものが、ミトスへの復讐のために→利用される前にコレットを殺して、野望を挫く」それもまた方法論の一つであり、ラジアータストーリーのルシオンが挑んだことである。
 
 
考察
後日、Cの死を、彼女の保護者の一人が知る。現場にいなかったため、殺害されたCの方を一方的な被害者として、更に加害者像を勘違いして、冒険を始める。
それがムシウタ四巻。またはとある科学の超電磁砲SS『コールドゲーム』。
とある魔術の禁書目録 フレンダ・セイヴェルンの死についても。
フレンダがCの立場にいて、何故かアイテムの敵対者ではなく、アイテムのリーダーである麦野が犯人役となる展開となり、彼の物語が変わっていった。
 
 
このシナリオからすれば、木山先生が木原幻生に感じる『不条理』は、彼でなく、実行犯の統括理事会敵対者に覚えるべき、ということになる。それだって、実行者の過去や仇の野望を知れば、殺害に及ぶ理由あってのこと。
実験の重要人物の死で、確かにこれからの被害者を生まないようにした成果はあったのだ。