「ギアンーあなたー」
「おちついて、ママ。大丈夫だから。妖精と竜が揃わなくちゃ船は異界の扉を開けない。ミルリーフは今のあなたを手伝ったりしないもん!だから、諦めてエニシアを離して!」
 
ギアン
まだ終わらないよ。終わらせるものか
 
フェア そんなになってもまだ、続けるのギアンー
ギアン
ああ、そうだとも。私は、私の願いを叶えてやるんだ。その為だけに、私は生き続けてきたんだよ。諦めてしまえば私が存在してきた証も意味も、なにもかも失われてしまう!!くくくっ、それではあまりにも滑稽すぎると言うものだろう?
 
 
 
 
フェア そうまでして叶えたい願いって何なのよ?エニシアやミルリーフ達を悲しませてまであなたが叶えたい願いって何なのよ!?
 
ギアン
復讐さー
 
!?
母と私を見殺しにして幻獣界に帰っていったあいつを探し出して私が味わってきた苦痛の数々を思い知らせてやるんだよー死んだ方がましだと思うくらいの苦しみを与えてやるのさ!!
 
そんなー
ギアン
君ならば、私の憎しみもわかるはずだ。私と同じく、父親に見捨てられた境遇の君ならばな。
 
ーっ
 
ギアン
なあ、私の気持ちを君ならば、わかってくれるだろう?
 
悪いけど、私には分かってあげられない。
ギアン
なーっ!?
フェア
正直、今までは何とかしてあなたの願いを叶えてあげたいって私は思ってた。だけどー。今の話を聞いたらもう、そんな気持ちはなくなっちゃったよ。復讐するためだけに今日までずっと生きてきた、ですって。ふざけないでよ!そんなのは、あなたがただ、僻んでるだけじゃないッ!?
 
ギアン
僻み、だとー
 
フェア
ええ、そうよ。
どういう理由があってあなたが、そこまで父親を憎んでいるのか事情はわからないし、聞くつもりはないわ。けどねー。これだけは、はっきりあなたに言える。
 
自分がどう生きるのかそれを決められるのは自分だけなのよ。どんな境遇であろうとそんなのは関係ない。幸せになろうと思えば、いくらだって、幸せは見つけられるし。不幸だと決めつけたら、やることなすこと全部、裏目に思えてくる。結局は自分次第。他の誰かや、何かのせいじゃないのよ。
ギアンーっ
フェア
確かに、私も父さんを恨んだり憎んだことがある。けどね、恨んだってそれで幸せぬなんかなれないじゃない?だから、わたしはその気持ちを自分のために使ってきた。腹立たしさを力にして幸せになってやるって頑張ってきた。
 だから、私にはあなたの気持ちはわからないよ。恨みや、つらみを溜め込んで、ますます不幸だと思い込んで、挙げ句、回りの人を泣かせちゃうだなんて馬鹿馬鹿しいよ、
 
 
後は、あなた自身が変わるしかないのよ。じゃなきゃーこの子は、いつまでも泣き続けていないといけなくなっちゃう
 
エニシア
うっ、うううーっ
 
ギアン
エニシアー
 
エニシア
お願いだよ、ギアン。これ以上、もう自分を傷つけないでー私、ギアンに側にいて欲しい。ギアンや、みんなとずっと一緒にいたいよ。辛いことや悲しいことを忘れるくらい
幸せにー暮らしたいよー
 
今さらー今さら、変わることができるものかー忘れられるものかっ!!僕が、どれ程苦しい思いをして来たかー目的のために、どれだけおぞましいことに、手を染めてきたのかー認められるものかっ!?それを認めてしまったら僕は、僕はーっ近寄るなあぁーっ!!
僕は正しいんだ!正しくなくては、ダメなんだあぁーっ!!
 
ギアンー
 
ギアン
竜になるんだー。竜にさえ、至ることができたならー。なにもかも、きっと僕の思い通りに変えられるんだ!?この苦しみも、きっと消え去ってしまうはずなんだアァーッ!!
 
フェア
やめて!!
ギアンっ!?
 
ギアン
うわあああああああぁぁぁぁぁぁ!!
 
 
 
 ー
 
「余りに大量の魔力が一点に集中したせいで飽和状態が起こって制御不能になった魔力がそのまま衝撃波として拡散したみたい。」
グラッド
「召喚術を失敗したときに起こる、魔力の爆発と同じ現象ですか。」
ルシアン
「てことは、つまりギアンは儀式を失敗したってこと?」 
 リシェル
「あれだけの魔力が爆発したのに、この程度で済むはずがー」
 
 
シンゲン
「いくらなんだって洒落がきついですよこんなのはー」