感想 ニーアオートマタ サブクエスト 11Bの遺品 アンドロイドも嘘をつくし、誰かを利用する。

主人公達が16Dという名前の同組織員からの、「戦死した自分の先輩、自分の指導員の遺品が欲しい」という依頼から始まるクエスト。
選択分岐式で、不都合な真実を伝える、伝えないで後味が大きく変わるショートストーリー。

分岐
伝えない場合は。実は、11Bが16Dに「お前のことは俺が守る」と言っていた恋人同士だが、死んでしまった。先輩の敵討ちに自分も攻撃型へ転向したい旨を明かす。

感想
戦闘員の11Bすら離脱したくなる場所だと明かさないことへの、不誠実さに悩む。一人で逃げようとした11Bに、16D が見限られていたのに仇討ちに燃える報われなさにも。
(16D が二つの選択肢への回答両方に、正直に反応しているなら。真実を伝える方が、16D の死亡率を鑑み、誠実な選択だ。)

分岐
伝えた場合は、エゴを剥き出しに、「攻撃型だからって。防衛型の自分を見下し、散々苛めていたバチが当たったんだ。」あんなに厳しかったくせに、バチが当たって、最期は惨めに未練がましく終わった。
その事実に救われ、これからの任務を楽しく頑張れる、とテンションを高くする。
 
感想
伝えない場合の情報を考えるー分かりようがない裏設定と会わせて考えると、恋人の筈だった戦士との関係が歪んでいて。身内、内輪としては守られる被保護者としては、頼もしい保護者と見ていたが。
他所と他所、対等な個人間、同じ組織員で相手を見た評価としては、上から散々抑圧してくる劣等感の対象だった。と
インナーサークルの身内に、相手を見る目に贔屓、ファクターが入るものだと実感できる。これも社会性の必要な理由だな、とショートストーリーの深みを味わえる。

 
推理
どちらの感想も間違いだ。
「伝えない場合、「先輩の情報はこれで全部ですね?」「ーああ」と念圧しをしてくる」
「分岐前に、形見の武器を主人公に渡す。「死亡前まで武器に使用ログがある。」自分よりふさわしいからどうぞ、と。」

伝えない場合の仇討ちに攻撃型に転向したい、が本当ならば、「転向後に先輩の武器を持っていきたい。」ということで渡さない可能性だってあるのに。決意を話した後も武器を返せ、といってこない。
伝えた場合との違いは。16D のなかでの先輩のイメージの落差、ではなく。そもそも16Dは伝えない場合嘘をつくのだ。


「先輩の情報はこれで全部ですね?」
これが今回のサブクエストの発生理由である。
結論を言えば、依頼主は遺品が欲しくて依頼させたのではなく、そのままでは野ざらしだった遺体を調べさせ、遺留データを組織内の第三者に見させることが目的だった。
遺留データから、主人公達は戦死者が脱走を企図していたと分析したが、逆を言えば遺留データさえ見つからなければ、組織内の評価通り、厳しい戦士である指導員が戦場で殉職した、というままで処理された。
私の推測からすれば、真実はデータ発見前の見解そのままだろう。

遺留データさえ見つからなければ、とあるが。
遺留データを本当に11B自身が書いたかは不明。
文面を見る限り、「センサーに故障発生」「ウイルス感染報告が出る。そうなのかシステムに不具合があるのか不明」
以外は本人が書いたものでない可能性がある、いやそうだろう。と見る。

そもそも通信ユニットが使えない理由自体が、「通信ユニットは破壊済み」と言う初めの一文から。「使用者本人が捜索遮断用に破壊したから、通信出来ない」とミスリードされたわけだ。

もしそれが嘘で、外的理由から通信ユニットが使えない。となれば、だからこそ外部に繋がらないメーラーの草稿をログがわりにしたのだろう。

メールの草稿をログ代わりにする、と言うのは指導員級のものとしては杜撰である。疑われた際、尋問時に証拠になってしまう。

多分、戦死者にはウイルスが仕込まれていた。だからこそ作中明らかになる真実のように。「ヨルハ部隊は間違っていた」「修復されない、ウイルス感染が進行する。時間経過で終わりに近づく」という状況を前倒しするような死に方をした。

今回の依頼主が作品の真実、そこまで知っていたとも思わない。

真実についての、私の解釈と感想。
依頼主がそこまで破滅覚悟だったとも見ない以上。11Bが必ず死ぬレベルの細工をしたとは見ない。ただ単に、通信断絶とブラックボックス信号断絶が重なった状況下に起動する→それまでのダメージレポートを元に。
今回の「脱走計画」と自業自得な死を迎えるまでの「所感」ログを偽筆する効果。をもつ潜伏型のウイルスを仕込んでいた。そういう程度の細工だったのだろう。

後は、先輩である11B死亡時に。ちゃんとウイルスが起動して、偽筆情報が組織に回収されたかを気にすればいい。

とはいえ、先輩死亡時に遺留データが残らないほど義体が破損することも、ウイルスが発見され内々に潰されることも、ウイルスが交戦時の損傷により不具合から不発に終わるケースもあった。実際、依頼が受理されなければ成果の確認すらできなかったわけだし。

実際には偽筆データを回収されていても請負人が依頼主を騙せば、「依頼主がした工作は無駄になったんだろう、と依頼主自身が判断して」請負人に外面を取り繕ったままで話は終わる。「伝えない選択」の分岐はそういう背景のショートストーリーだ。
以上を記述。

「話は変わるが」感想。
伝えた場合の、エゴを露出するシーン。指導員と教え子、でなくそれ以外の背景と見ると納得がいくし。作品のキャッチコピーに触れられる。「うけつがれたのは呪いか天罰か」ドラッグオンドラグーン世界観で、竜と人間の使役関係が産み出す歪み。
森の国の財宝の時の依頼主のように。使役者人間に対する、抑圧されたドラゴンの人間を見る目が。時と配役を替えて、世界の中で引き継がれたと考えると。先輩である指導員があれだけ厳しかった、状況も説明つくと見る。指導員が教え子をどんな目で見て指導していたのか。
キャッチコピーの一端を見られるのがこのサブクエストだったんだな、と感銘を受ける。
そして、主人公の一人の2Bに対する9Sや21Oの立ち位置も。この呪い由来のでありー最期の結果に至る因縁もそこに由来するんだろう。と感想する。