前記事より 氷凶器と掃除人殺人事件概要考察

 
ソードアートオンライン19巻。宿屋における、容疑者ゴブリンの殺人事件。
この事件の不可思議な点は、人界人もダークテリトリーの観光客も、プロテクトに縛られている中で、刺殺者が出たと言うこと。
 
これ、悩むギミックなんだろうか?
巻末の誘拐事件が教えてくれた。この被害者はキリトの立場で、脅迫されて、約束の履行を信じて勇気を持って行動した、と言うことだ。約束、どうなったんだろう?
 
ドラマ TRICKに似たトリックが出て来る。
 
更に、消える凶器は代名詞として氷がある、と言うのも重要。
 
こう推理できる保証➡根拠は三つ。
1被害者は短剣で心臓を一突きにされて死んでいた。
2凶器の短剣は粗悪な鋳鉄だった。(凶器は消え失せた、報告があったため陰謀論に発展したが。)
3容疑者は人界ではまだ恐怖感が残るゴブリンであり、かつ被害者は一般人で人のいい人物だった。どちらも武術の達人という訳では無さそうだ。
 
更に傍証が四つ。
4そのゴブリンは短剣をあんな剣、と表現した。
それに、前巻までのゴブリンの実力者達は力業の武器に長けている連中だった。
(ゴブリン全体の種族像として、短剣使いのヒエラルキーが低い=短剣の技術体系が未発達である。学ぼうと考えると思えない。
(ダークテリトリーの短剣使い集団の主流は人間だった。一般ゴブリンが短剣流派を学べたと思えない。)
 
5容疑者は五人組の一人で、朝食後一人だけ腹痛で寝込んでた
警邏が駆けつけた通報内容では「亜人が」としか言われてない。
 
6容疑者は、部屋のドアを叩かれて廊下に出て来た。
部屋から出るといきなり人が死んでて、側に自分の故郷のものに似た剣が落ちていたのを。わずかな時間見ていただけなのに。
実際はしてない「宿屋で刃物を持った亜人が暴れている」通報で駆けつけた警邏に、刃物を持って死体の側にいたから捕まった。
 
7いきなり現れたキリト達一行が凶器提出を要求したところ。取調官が部下に目配せし、たっぷり五分ほど待たせて、「無くなってます」と報告があがった。
 
「以上が根拠となる。」
1に対する2と3が決定的に、容疑者は犯人で無いと教えてくれる。
 
3、いくら被害者に武術の心得が無かろうと、亜人が側に来れば警戒する。
4、警戒されている相手を、ナイフで一突き出来るほどの技量はあの容疑者には無い。人間の警邏に押さえ込まれる程度の奴だ。
➡ナイフ型の。作中最強の使い手の一人だろうフィゼルすら、鍛錬と経験に立脚しているため、天才でも無い限り、そこまで短剣ですんなり暗殺できるわけ無い。
2技量が無い容疑者が一撃で急所を突くのは、余程の業物で無ければ無理。
と言うよりあんな粗悪品鋳鉄製短剣で心臓を一突きに仕留めるのは、力と技量の両方が必要。
 
通報通りに。刃物を持って暴れた相手に殺されるなら、全身傷だらけにされている。
 
 
容疑者どころか、2の前提がある限り。専門職で無いとあの凶器ではあの殺害は不可能だ。
が、それにしては5と6と7の詰めが甘く適当である。
5で、容疑者候補の一人に薬を盛らせられる。毒使いがいたのに。6と7で治安側が怪しい、と示してしまっている。
 
いずれにせよ。
2の前提で、1が出来るのは。「誰でも使える短剣」を被害者本人が痛くないように使ったから、とするのが一番妥当だ。
 
6で、部屋のドアを誰がノックしたのか。
ノックして容疑者が部屋を出るまでに消え、なおかつ容疑者を狙った警邏に気付かれずに消えられるのは誰か、
と言ったら。「消えていない」と考えるのが一番妥当だ。つまり、キリトが終盤でやっていたように、遠くからドアを叩いたのでは無いか?長いもので。
奥の部屋で血を流して倒れていた被害者本人は無理だろうけど。
7について言えば、警邏内部か、警邏が呼んだ部外者が短剣の天命を全損させて証拠隠滅したんだろう。
よく考えてみると、2に関していえば廊下と奥の部屋が重要。人間一人刺したナイフにべったり血がついてただろうに、ゴブリンの手は汚れてなかったようだし。
 
「新推理」
キリト達の推理に穴があると仮定するならー被害者は氷製の凶器を用意して、それで自殺したんでは無いだろうか。
 
誰にでも、ダークテリトリーからの客にも分け隔て無く接するサモンナイトのセイバー先生みたいな人が、自分の事件で人に冤罪がいく余地を残すとは考えられない。
被害者の小細工のせいで、恐喝していた監視者は、本来使用されるはずだった 凶器に血をつけ直して、容疑者の部屋の前に置くしか無かったんだ。
 待てよ。それでは被害者本人が死んだ後、恐喝者本人が他人に気付かれずに細工して、凶器を移動させねばいけなかったことになる。それが出来るのは、宿屋を動いても不審に思われないものだろう。宿屋内に内通者がいる決定的な部分である。そいつも脅迫されてるか、入れ替わりかもしれないが。
それにしてもこれなら、ダークテリトリーの組織要らない。薬と恐喝、治安側買収が出来る人間が容疑者になって絞りきれない。
 
 
また、本気でダークテリトリーの組織がやるなら。最低限「力の掟」に観光客が誓う、と言うネックに解決策を提示してくる。
 
ただ単に組織の手を借りて監視を抜けた密航者が犯行に及んだ、と。
暗殺者、暗黒術士の両ギルドであれば密航か誘拐くらい実現して、そいつに冤罪着せる。
そうで無い杜撰さから、両ギルド自体の画策では無い、と推量されるとみる。