リィンバウム グランドクエストメモ 途中

キーワード セルボルト家 ファリエル
それは、本来とても美しい恋詩から始まったー
ヘレネル➡ヴィナス、エビータ、ラハブ、ヘレナ、リンドブルム

エルゴの王以前の、歴史に埋もれた物語
ある時、貴族であり召喚士の家の一人である青年が、狩りの最中に黒髪の異国人女性を助けた。とても美しい人だった。
北欧思想を持っていた彼には、ワルキューレが地上に舞い降りてきたのかと思えた。実際のところは、サプレス系のアプサラス相応の水精霊だった。雲の上に住み、水と共に舞う有翼の踊り子であった。

ヘレネルと名乗った彼女は、リィンバウム内の、召喚獣の国から敗走してきたそうだ。

聞けば、王国内で内乱が起き、国の王が討たれたのだと。自分は、薬酒作りの師匠についており、宗教施設ー修道院つきの薬草園を管理する女官の一人であった。そう身の上を語った。

内乱が続いており、かといって自分は、戦乱に役に立てる者でも何かしらの用事を任されているわけでも無い。
山奥にでも籠もりはぐれ召喚獣生活をする、と言う彼女を青年は引き留めた。自分の家で暮らさないか、と誘った。
その場ではヘレネルが断り野外に隠れるものの。青年はそれからもヘレネルを訪ね続けた。
遂に根負けはしたものの、かと言って彼の家で召喚獣として傅く生活も嫌だった。

町中に家を借りて貰い、召喚獣と言うことを隠して、薬屋として開業することにした。自分は菜園と研究室を行き来し製薬に励み、小売など接客は人間の従業員に任せた。ウィッチクラフト術使い、よりも錬金術師に近い、体系化した理論を用いて製造に当たった。
青年にこっそり見せて貰った召喚士の知識も合わせて活動したが、
その内に新薬のレシピ、既存記述を元にした応用知識や追加発見レポートを
青年に渡すようになる。結果として青年の家の秘術、レシピのレパートリーを増やすことになる。
人外から貰った植物や薬、医学の知識が発展をもたらすのは、洋の東西を問わなかったのかもしれない。
たまに二人で探検に出かけることもあり、戦闘の連携も深まっていった。
そして、いつしか愛が芽生え、歳月がその絆を強くしていった。恐らくは、青年の方が強く。

(その道行きはもちろん、悲恋である。古い時代のこの手の話の常のように、破局が運命づけられていたこそ、その日々は輝いていたのかもしれない。)
二人の恋は、ヘレネルが妊娠するまでになった。
しかし。真実を隠していたわけでは無いが、青年には内々の婚約者がいた。当時、貴族社会では婚約関係破約時の体面のために兄姉姉弟と偽った婚約者同士の同棲を行っていた。

同室では無くても、青年の場合は姉➡年上が婚約者だった。

ヘレネルとの交際のため、婚約の破約を考えていた青年であったが。血縁の繋がりを望む両家はその恋を許さなかった。周囲にとって青年とヘレネルは結局、異邦人との身分違いの恋であり、到底許容できなかった。
(そして、一気に運命は狂い出す。)
召喚士であった実家は青年を捕まえ、薬物催眠などを用いて。恋の相手を身分違いのヘレネルでは無く、姉であると錯認させた。
深い愛を姉に向け直す一方、ヘレネルに対する事実無根な不名誉な噂を青年に吹き込んだ。ラプンツェルのような女狐で、犯罪組織のスパイの一人であると。
薬物催眠用の薬と暗示で意図的にケンカさせ。
それでも薬が切れた後にヘレネルへの未練を募らせるので、ばれないようさらなる手を打つことにした。呼び戻すよう仕向け、時間稼ぎさせたところをはぐれ召喚獣狩りの治安部隊に捕縛させた。他ならぬ愛する青年が裏切ったかのように、ヘレネルを追い出させた。何かを憑けていたのかもしれない。

より徹底的な洗脳で、盲目的な愛を婚約者に向けていく青年。
以後、再びヘレネルに会っても過去を思い出せずからかってばかりだった。

(話は変わるが)
ヘレネルも洗脳教育専門の無色の召喚士により薬と拷問で手駒にされ、本当に犯罪結社の暗殺者として人生を送っていった。
目つきの悪さからか、取り敢えずその召喚士との悪い噂は事実で無かっただろうが。
美貌に対する醜聞は組織内を含めたやっかみであり。
本来の手口は、正体がばれないよう姿を隠した上での、飛行中の高所からの狙撃である。
狙撃による状態異常付加をもたらした上で、とどめ・ナイフの刺し直し・生死確認役の近接型召喚獣を送り込み、念入りに寝首をかかせて仕事を完遂する。
ラプンツェルマレフィセントは高い塔に住む、糸を垂らして人を移動させる、美女は指図役との二人がかり。と言う逸話に因んでいるのである。

(かくして、周囲の手により引き裂かれた二人の恋人達。)
一応ヘレネルの不幸の下に、両家公認の婚約者同士の恋が成立したかに見えた。

しかし、実は青年の愛の深さと執着は、名家にとっても計算違いであった。洗脳で記憶が残っているはずは無いのに。
神話のアガメムノンのように。自分の愛は奪われそうだ、襲撃者に連れ去られそうだ。と言う被害意識は変わらなかった。
結果として。婚約者に相応しい勇者と認められるに足る実績を重ねるために無茶を重ねていき。婚約者の側の家の資産を使い潰した。レビット系の代々の召喚獣・役に立たない家来の兵士達・内通していた盗賊一味を、
敗戦で見限り
交戦相手への生け贄・実績作りに裏切ったりもした。そうして取引した強い勢力を自分と婚約者を護るために引き入れていった。

(話はズレるが)
しかし、青年の婚約者もまた外部に男を作っていたが周囲に引き裂かれていた。青年が考えていた立派な人物とは別な男であった。
正直なところ、一族でも家事上手だった彼女が、何故あんな男と子を為したのかは分からない。だがそれでも、その息子は異世界の力を得て、その娘は女メインキャラの取り替え子になるほど作品世界の中で立ち位置を得て歩んでいく。
青年とも。実は血は繋がっていない年下とはいえ、戸籍上の婚約者の娘を血縁と見て家族生活をしたストーリーもあった。
(ズレた話、終わり)

青年のその愛は婚約者にも理解されず、拒絶を読み取ってからはウェルテル症候群染みた迷走を始める。
本当に側にいて欲しかったヘレネルを思い出せないまま、戦死による英雄を目指し、戦場の露と消えた。最期は死体を水中に消したらしい。
別な輪廻で語られず、執着のみ残った話であった。
(青年編・完)

ヘレネルと言うより、フォルネウス並みの狂的な執念深さを養った彼女は、精霊から妖霊の側へ堕ちていった。
フォールン・プリーストで堕ちた僧侶。

水妖霊。ウンディーネ伝承のように、裏切りに強く拘る一族の祖となった。
自らを祀る存在には確かに祝福を与え、奉公も行ってきた。自分の子孫に対する思いも、他の、ワイスタァンの庇護者などに勝るとも劣らず持つようになったのだろう。


しかしー
結局、彼女はどこかで倒れることになる。
(完全には把握されていない真実であるが。)
当時、軍隊の中で一つの思想があった。
「かつて強大な君主が統治していた国があった。
その国は、召喚術を越える力を授ける、レア能力者の主導により、
民を騙してきた真実を暴かれ、能力者の側についた維新志士の手で王権は打倒された。
レア能力者は、民のための市民政治を目指していたものの、諸事情により外国の軍部に敵視され、世界の脅威だという噂に騙された強大な能力者の一団に倒された。
一団の中のリーダーもまた、軍部の一員であり、大陸統一の夢を見ていたがー。
レア能力者は二人いた。維新指導者である片割れを倒し、暴走により道連れにされようとしていた敵軍リーダーを、両方とも封印することで、事態を収拾した。
そして、人知れず姿を消した。」

ギアン<外部からの襲撃者<エニシア
ハイネル<シャルトス<キルスレス
フォルス<ギフト<響友
の勝敗戦績、か。

追記として
そのレア能力者自身も力を持つようだが、各地の大型施設の稼働と合わせることで大きな現象を起こせるようになる。
と言うことも分かっており、召喚術への応用により、召喚術の逆である召喚術を越える力に至れるのではと推測している

軍部の目的としては、
「自分達は召喚士と軍部の下にいるので、そのヒエラルキーを覆すために。遺跡に封印をかけた、遺跡の使用者であるー勝ち残ったレア能力者を、争奪戦でゲットして、以前のように維新を起こす。自分達が召喚士に勝ち、ヒエラルキーの頂点に着くまで協力して貰おう。」
と言う計画である。
実際には、かつてレア能力者を襲撃した外国の軍部が正体である。
本当は、自分たちも自分の国と、戦争している相手国で維新を起こしたいのである。レア能力者にとっての敵が再度、自分達の目的に使うため、殺害で無く捕獲目的にレア能力者を狙い、争奪戦を挑んできた。
(要約終わり)
話をまとめるとこういう筋である。
そして、争点になるレア能力者こそ、ヘレネルと青年の娘、になるのが本来の因果律である。
かつての強大な君主の末裔、と言うのがどうなっているかも不明であるが。

正式な都合によらず、軍部の争奪戦開始が起こる理由は不明だが。

(途中セーブ)