サモンナイトx レビュー

 ティアーズクラウンをプレイすると、サモンナイト4における相互不信の原点がよく分かる。サモンナイト4において、ギアン、クラウレ、メイトルパの妖精郷の民等と、相手を信用しない連中が大勢出てくる。「我々はそれぞれの境遇において、人間の嘘と裏切りに辛酸を舐めてきた。」連中の祖先の歴史がサモンナイトx同様のものであればそうなるだろう。リストアップしてみよう。

  • 停戦協定を結び、始めの十年間における人質交換期間を終了したその日に電撃侵攻してくる。
  • 人質だった、要人の後継者本人が親である要人を襲撃する
  • 都市の要人を襲撃するために。要人の下で長期に働いている潜入工作員が、都市の一般市民に化けた工作員からの合図のもと、連携し作戦を遂行してくる
  • 為政者の行動が民意に沿っていないと感じたため、敵将に下る
  • 危険な召喚実験を成功させた部下逹を、最後の仕上げのために上司が生贄に捧げる。生け贄にするために、部下逹に作業をさせる。
  • かつて組織に属していた離反者への、復帰の呼び掛けに対し。応じるふりをして近付き攻撃する
  • 行き倒れのふりをして集落に拾われ。信用を築き歳月を重ねた上で。家主と結婚式をあげたその日に襲撃をかけてくる。(サモンナイト3のイスラや、4のクラウレの手口である。)
  • 組織への貢献のために作戦を指揮するふりをして。組織自体を自分の目的に利用する。
  • 親なりの事情があったにせよ、虐待を受けた子供が親を襲撃し跡目を継ぐ(サモンナイト4の世界観紹介ー赤き手袋の項における、王国の王子が母である王妃を刺した一件を源流にする、という記述に近いか?ギアンの真実にも)
  • 勢力の掲げる思想に反して異種族と結ばれ、異種族の地へ脱走してそこで暮らすつもりだった軍隊の部隊長個人を。異種族との仲に気付いた為政者が処刑する。(結ばれた異種族は、事情を知らないまま伴侶を待ち続け、心細い思いをしながら死去)

はっきり言って種族や思想の対立が関係ない部分で、裏切りが連鎖している。賢いものが、悪賢さでそれ以下のものを欺き、嘲笑う感じか。

ここまで過去の不祥事が続いた上で、異なる二者を繋ごうとする主人公逹の方が浮き世離れしている気がする。

あくり~んが大臣である場合の議会クエスト、「ステキな絵本」が結構近いか。

「絵本を描くために海底回廊へ取材に行きました」。「強いモンスターが弱いモンスター、グミをいじめていました。」一同、モンスターを倒し、助ける。「このことを絵本に書いたらどうかな。」「(ファングが)おかしな話だな。グミだって立派なモンスターだぞ。それこそスキあらば飛びかかってくるような~」その言葉の途中で、去ろうとしていたグミが反転して襲いかかってくる。返り討ち。「これじゃあ絵本にならないね」「ううん。そのまま絵本にする。」→「陸に帰り、絵本を出版しました。絵本が売れて出版社から7000g(通貨単位)受け取りました」

というあらすじである。

 

作中話では、

かわいい女の子が一人で歩いていて。ある時モンスターにいじめられているグミを助けてあげました。グミは言いました。「ありがとうございます。お礼に良いところへ連れていってあげましょう。」「ホント?ドコに?ドコに?」「あの世さ。クケケ」グミが襲いかかってきましたが、女の子は返り討ちにしました。そのまま女の子は歩き去っていきました。恩を仇で返すグミのお話です。

と言うように、グミと会話したかのように脚色されている。また、グミもモンスターだから本能通り理屈抜きで人間を襲ったのでなく、弱い側も悪人だから恩という概念を無視するように描かれている。

 

しかしこれを読んだ上で理屈を他に適用すると→グミを亜人に置き換えた場合。

帝国に苛められていたランカスタの亜人を王国軍が助けたら、今度はランカスタが王国を襲い出しました。

つまり、モンスターの仲間である亜人を助けても、恩を仇で返してくるだけです。という、帝国好みの通説が出来上がることになるので注意しましょう。

サモンナイト世界のリィンバウムの場合。獣人も他の悪行はぐれ召喚獣同様の、人間以外の猛獣としてカテゴライズされている。在来のモンスターにひどい目に遭わされた人たちの、人間以外を警戒する姿勢が。後に帝国に至る、亜人弾圧運動へ繋がっていったのではないか。