モルディーンの指向分析について →非情さは0.5に出てくるマグスタイに近いのでないか。

論理と遊戯の竜、モルディーン。寧ろ謀略のオージェスらしさから遠い人物だと見る。

国家の参謀というより、企業植民地統治に長けたタイプだと読む。彼の最大の武力、十二翼将。会議出席者の面子を別な角度で見ると、左遷されて当然な人間性を持った、他で使いようがないお荷物が多いようにも見える。初めは追い出し部屋的な位置付けだったのでないか。排除するためには多大な犠牲を払う必要がある厄介者を騙して集め、相互監視のもと危険任務で殉職させるための部署だったのでないかとすら疑っている。そもそも飛行する生物が十二枚も翼を持つ意味は何処だろう。神話の高位存在でないなら、寧ろ邪魔だ。本当に飛行するためには、航空機のような主翼と尾翼の四枚、または五枚で十分なのでないか。人間がタコのように八本の足を持った上で、二足歩行する姿をイメージするものである。

個人的な分析としては、十二翼将攻略のためには本当に組織を維持するために必要な翼を、デコイの中から割り出す作業が必要である。まあ、今代翼将はヨーカーンとアザルリ以外個人的にはモルディーンを裏切りようがない忠誠心を持っている、とは見る。しかし発足時を考えると、軍神バロメロオ、聖者クロプフェル、ジェノンの前任者ともう二人くらいしか要になるものが居なかったと見る。消去法的にあり得る現実、というか。バロメロオは交遊努力以上に皇族の血縁であり、政局全体を操作して交渉することが可能。クロプフェルは師匠であるが、それ以上に宗教勢力内での実権はモルディーンの方が上であり、社会的地位を握ることで操作できる。ジェノンの正体は演劇関係者という触れ込みであり、モルディーンの管理する企業と財力で餌を与えることができる。さらにはジェノンの本当の地位である竜種の出向政治家としての地位にすら、モルディーンの管理する政党が竜との交渉権を独占している限りいくらでも関与することができる。あるいはジェノンは黄金竜の血縁なのかもしれないので、先祖からの契約関係かもしれないがー。

さらにキュラソーの前任者足る諜報管理者がいたのだろう。モルディーン自身の政治力が届く、国際的製薬⚫医療機器会社の流通担当者でないか。医療福祉機構関係者と政党関係者、国際流通貿易関係にシェアのある諜報担当者が存在し、除籍されたのだと考える。そうでなければモルディーンの出世ペースに合わない。恐らくは黒社会のノイエ党やルシフェロ騎士団にすら関与している人物。今の翼将を見ている限り電子戦をこなすハッカー兼情報屋がいないから、電磁電波系はそいつだろう。モルディーン自身がハッカーと考えるのは、スケジュール的に無理がある気がする。ラキ家との繋がりを考えると、案外イェルドリトと交際していた女性なのかもしれない。後は敵対者との拮抗状態を作り出すための前衛剣士が一人いればいい。

はっきり言ってしまえば、先祖から反社会性があったラキ家を要に据えるとは思えない。イェルドリトに並ぶとされた東方の先代二人も外様ゆえに、加入時は排除予定であった筈。と、言うかあの二人を加入させたのは、モルディーン自身が長年かけて画策していた東方諸国との通商協定を、治安危機で邪魔されたくなかったからだと見る。追い出し部屋、と十二翼将を表現したのはそこら辺から。噂ほどの傑物を政情不安な土地で野放しにされると、いつ勢力を築いて暴発するか計算しづらくなる。東方諸国にとっての不穏分子を引き取ることも交渉の道具になったのだろう。

 十二翼将を攻略するために必要な順番は何か。ジェノン→バロメロオ→(何かの手段でヨーカーンを別件で動けなくさせ、他の強敵と噛み合わせる)→クロプフェル→モルディーン+α→キュラソーの順番で抹殺していくことであり、それを実現できる実力があることだろう。まず、発見が難しく、倒した相手の生存説も捏造されてしまうジェノンを真っ先に倒す。ジェノンを倒すとある程度の他の種族との交渉、応援を一部麻痺させられるようになる。次に、十二翼将でもトップクラスに相手であるバロメロオを何らかの手段で孤立させた上で、軍団の機能を麻痺させるカードを用意し、万全の体制で撃破する。これができないとモルディーンを討つのは不可能だろうし、またバロメロオを生かしておくと、十二翼将以外のモルディーンの遺す実権を代理で処理されてしまう。まあ、バロメロオのグランドモデルはモルディーンよりは旧態然としているから、モルディーンの大業はそこで止まる。バロメロオの軍勢と他の翼将をセットで相手にするのは、オキツグを一対一で倒せるものでも必死。そして、一番の山場であるのがその先。身内を殺されて激昂し、執念に生きるのはクロプフェルとキュラソーである。まず待ち伏せの罠を組んだ上で一方から襲撃。クロプフェルがモルディーンの逃げる盾になる状況を作らせた上で、前衛とモルディーンを逃がす。クロプフェルを討つ。そして退路に張った罠の中で波状攻撃をかけて、前衛をさらに切り離して逃げるモルディーンを先に討つ。前衛がキュラソーやラキ兄弟であると他の翼将が駆け付けてしまうため、もうちょっと強力な護衛の中モルディーンを討つ必要がある。そして、モルディーン討伐後は速やかにキュラソーを討った上でオキツグに残りの翼将の手綱をわざととらせる。暫くの潜伏の後、オキツグの率いる集団を冤罪か暴走か何かで孤立させた上で、政治事情の中で単体のオキツグとヨーカーンを倒す。手綱を誤っているように見せれば不安に思う周囲が今度は翼将残党を世界の敵指定して成敗に動き出す。

 

さて、モルディーン自身の非情さはどこにあるか。始まりの翼のチェザースの扱いを見る限り、モルディーン自身は志願して従軍する人間を同族の枠に置いていないのだろう。戦士たちを楽しい遊戯の場を提供するのは、マグスタイが無能な自殺志願者に死に場所を与えているのに近い。良心の兵役拒否者のつもりであるのだろうか。

また、始まりの翼内でのトレト公国とイージェス教国、竜皇国最高会議の扱いを見るに。トレト公国反政府団体擁立の思想が一番モルディーンらしい。論理破綻した消去法的な非戦⚫平和主義者。現政府よりも反政府団体の方が、国際的には反戦的で、単に権益ー生活向上を訴えているだけだから支援する。当の本人が会議に非情さが必要だと訴えているくせに、イージェス教国に対する二国間戦争の当事者になることを古い戦争だと却下する。レメディウスへの「何故待てなかったのか」という台詞を考えるに、この咒式時代以前の国連による平和ヘ回帰しようとする指向性が見れる。それを念頭に入れると、国際平和を担う連合国を枠組み付けた上で、国際社会全体から孤立したイージェスを、平和裏に締め上げるだけ締め上げた上で、窮状からの凶行を反人道的だとして国際社会全体で武力制裁、委任統治ヘ持っていく方が竜皇国国益に叶う。しかもスマートだ。竜皇国としては教国が潰れて黙ってくれさえすれば、教国から奪いたいものがない。必要コスト以上の吸収を行う必要がない、のだろう。寧ろ軍部による予防戦争で必要コストを割り増しにされる方が、コスト回収のために旧教国から搾取する必要が発生し反発される。

勢力全体の中での多数派、での実権に興味があるタイプか。竜皇国全体での最高会議自体の指向性が、竜皇国全体の大多数の求める権益から離れていると見ている。またさらに一般常識的な竜皇国国民のイメージする権益から外れ、孤立していくように操作していっていると読んでいる。