タピス メモ

光学系咒式第二階位〈光波聴〉を展開。搬送波を加えたレーザーを放射し、その反射を復調、音の変調波形に戻すという盗聴を開始する。 二五〇メルトルほどの距離があっても、窓ガラスの振動から室内の物音を拾え、現場に発信器を設置する必要もない優れものだ。 郡警察の暗号通信の傍受は不可能だ。しかし、警官が事件について口で話すことは止められない。俺と同じ咒式でヴィネルも盗聴しているのだろう。 不可視のレーザーをビルの側面の窓ガラスに照射し、耳を澄ませて物音の反響を待つ。だがなにも聞こえない。次の窓も、そして次の窓も。