新訳とある魔術の禁書目録 十巻 ボスラッシュ レビュー

本刊では世界の敵=世界の脅威オティヌスに対して理由を持つものが次々と襲い掛かってきます。そして上条さんは全員不殺でエンディング。始めの方で闘う連中は、過去はどうあれ本刊における世界のための英雄たち。一方、途中のマリアンの襲撃が入ってから。中盤の美坂戦を軸に、個々の私怨でオティヌスを狙う刺客たちと上条を引き戻そうとするものたちへ代わっていきます。(それでもレイヴィニア9とブリュンヒルドは違いますけど。)

取り合えず章建てを記述します。

序章。とある少年は世界の敵となりて

9。白と黒の翼携え世に抗うもの

10。二十億の脅威

11。神意にたゆたう修道女達

12。魔を屠る四つの刃

13。魔剣を解放せし鍛冶師

14。表舞台の警察

15。無慈悲なる科学の尖兵

16。電子に愛されし申し子

17。図書館の主と魔術の女王

18。魔神に対する者

19。鎚振るいし全能神

20。???

終章。争いの果てに右手が掴むものは。

 

いや、改めてみると世界の秩序のためのヒーロって過去に上条と接触したやつ多いんだよな。そして、秩序を守る勢力とも。

 

9。白と黒の翼携え世に抗うもの→科学サイド。超能力者、最強のアクセラレーター。

10。二十億の脅威→魔術サイド。ローマ正教勢力の、現イギリス清教所属アニェーゼとその部隊。

11。神意にたゆたう修道女達→魔術サイド。ロシア成教。一度助けたサーシャ。及びワシリーサと総大主教

12。魔を屠る四つの刃。魔術サイドよりの国際勢力、イギリス治安集団。イギリス王女キャーリサとその部下の空挺部隊。騎士派代表騎士団長、魔術を失ないし聖人にして傭兵アックア、イギリス清教の神裂火織。

13。魔剣を解放せし鍛冶師。非、秩序側の魔術サイド。元オティヌスの組織構成員マリアンとミョルニルグングニルの余った素材→垣根の内臓から作られた新しい道具、万象の金ドラウブニルによるダインスレーブ。

14。表舞台の警察。科学でも魔術でもない国際勢力。大頭領ロベルトの電話指示で動くアメリカ特殊部隊。

15。無慈悲なる科学の尖兵。科学サイド、学園都市の誰かが遠隔操縦する飛行ファイブオーバーの群れ。因みに、上条達は撤退しかできず、彼らに対しては白星をとった存在。

16。電子に愛されし申し子。所属は科学サイドの超能力者ながら、自分の都合で動く個人、美坂御琴。

17。図書館の主と魔術の女王。魔術サイドの民間組織、明け色の陽射しのレイヴィニア。及び魔術サイド、イギリス清教秘蔵の禁書目録

18。魔神に対する者。魔術サイド。英国よりの聖人二人、シルビアとブリュンヒルド。そしてーオッレルス。

19。鎚振るいし全能神。非、秩序側の魔術サイド。実質的には代表者トール。そして、集合できたグレムリン生存メンバー全軍。

20.秘密。自分で読んでみてください。

 

科学サイド。9,15,16

魔術サイド。10,11,12,13,17,18,19。

こうして数えてみるとオティヌスはやはり魔術サイドの存在なのだと実感させられる。魔術サイドの禁書目録、十字教三大勢力にイギリス治安勢力、傭兵アックア。個で誰かのために動く聖人に、世界有数の大魔術師。このメンツをみる限り、魔術サイドの世界の脅威が、秩序側の英雄から生き延び続けるのは、よほどのことがないと無理だとわかる。上条が生き延びられたのはそれまでの評価と、素人の青臭さからだろう。

相手が魔神というのを一番斟酌しているのはレイヴィニア、次に実力に関係なく相手の精神性をつくロシア成教大主教だろう。一方で相手が何であろうと必ず叩き潰せる布陣を敷いているのが、一番にイギリスの四つの刃達。次にデフォルトで各聖人。逆に、軍勢という意味で必勝を期す→ある程度のリスクを許容しつつ、実力の格差を抜きに弱いものを束ねる布陣を敷いたのがローマ正教。まあ普通の強い魔術師では、どこであろうと一戦しただけで敗死しそう。トールにしたって、今シーズンのコネクション抜きであれば、経験値狙いで強者との戦いを求め続ける流浪の騎士として挑戦してくる、って言うか今刊における個人ではー多分三位内に入るくらい強い(レイヴィニアが「この世界の人間の魔術師」として以上の底力を振るえれば多分四位内)。

一方、科学サイドは初めのアクセラレーターで必勝を期したあと、次の遠隔操縦機群が辿り着くまでに間がある上に、美坂の管理ができていない。機械群を投入する予算と備蓄は凄いのだろうが、人間でオティヌス達に挑む者が少ないというのは、有力な所属員のモティベーション管理ができていない証拠。頂点である、学園都市と窓のないビルを中心にしたヒエラルキーが確固としているのはいいが、その分傘下個々のモティベーションで世界の脅威に挑む者が少ないのは→実力格差が激しく、悲劇が防がれずらいということではないか。中心以外の科学サイドは機密拡散防止徹底の側面として、英雄に助けてもらう機会が限られているということになる。

 

これ、神の右席みたいなチート抜きでは、フィアンマみたいな配役の奴は絶対生き延びれない。アクセラレーターは例外だろうと、英雄達の出撃に比較的時間が掛かることくらいしか安全要素が無い。