ムシウタ 八巻時点のかっこうの消耗は、東中央本部がかっこうの運用に無理を重ねたからではないか

 五郎丸は、かっこうを様々な任務をこなすことができる万能札のようにみていた。索敵、監視、戦闘、捕獲諸々をこなせると。一号指定の同化型、という分類からすればたしかにそうである。
しかし、もっと細かい、個々の個体の詳細に目を向けると。監督する側はもっと負担なく、つつがないかっこうの利用が可能だったと考える。

まず、東中央にはかっこうの旨味をいかすためのチーム編成が可能だと考えられるのに、それをしていない。
まず、かっこうと比べて見劣りする駒しか揃えていない。兜やみんみんは位階が見劣りするというより、同化型でないのにかっこうと被った属性の持ち主な上に、一点もかっこうを上回る持ち味がないから目立たないのだ。奴等はエルピレオーネ級に実力を伸ばしたとしても、かっこうと同じ程度の実力者にしかならない、はずなのだ。
コネクション的に無理を言える上位職員


茶深はレイディーが死んだのはむしばねの連中が寄りかかりすぎたからだ、と唱えていた。
一応。五郎丸のかっこうに対する態度は、部活のマネージャーのように接してモティベーションを引き出すことに成功している辺りは、土師以外の上司よりは優秀。この部分に関して詩歌や柊子は傑出している。
しかし、一号指定、自前のエースに背負い込ませ過ぎるスタイルでいるのはむしばねと変わらない。むしろ大助個人のパートナーでありたいと執着がある辺り、偶像として遠巻きにするむしばねよりも本人へのプレッシャーは大きい。むしばねならば、利奈が倒れた後も、組織として理想を引き継いで叶えてくれる安堵が本人にあった。しかし、五郎丸と東中央だと❓かっこうという個人を軸にした、戦いの物語にこだわるゆえに、最悪蘇生者にしてでも物語から逃がしてくれない。

五郎丸は距離を縮めた後に、もっと隠しごとせず一緒に物語を歩いて行きたいと望んでいるようだった。ふゆほたるのように。しかし、それを貫くならば、もっと早く薬屋大助と結び付くべきだった。柊子と薬屋大助が共に歩くためには、あまりに虫憑きに関わるキャリアに差が開きすぎていた。かっこうは十数年虫憑きに関わる戦いの中心にいた特環の大ベテラン。柊子は下働きのキャリアしかない、(ダークホースとして)期待の新人。
便利屋きらり並みのキャリアが柊子にあったとしても、結局は虫憑きの中心から外れた枠外でのキャリアしか積めなかっただろう。
物語の中心に関わろうとするのはポテンシャルとしては可能かもしれない。しかし、方針の決定、指図をする立場としては場違いに非常識である。年季的に。かなたがおうるに対して、「お前ごときが、ふゆほたるにふれていいと思っているのかぁ。お前ごときが戦いの中心に向かおうとするのかぁ」と怒鳴っていた内容が柊子に対しては当てはまると考える。
蛇足だがあれ、実は二巻の伊織同様に、相手を気遣っての捨て身の対応だったから、結構ロマンティックなんだけどね。あの一件の後再会していたら、あるいはかなたはおうるに対して生涯を捧げていたかもしれない。伊織が千莉にたいしてするように。

はっきり言ってかっこうの業績に東中央が貢献したという展開は、作中無かったと言える。魅車と中央本部の陰謀と戦っている描写もあるが、結局は受け身である上に魅車本人が直接矛先を向けるレベルではない。二巻で合流した千莉と有夏月は虫憑きの戦いの中で大きな成果をあげたが、それにしても五郎丸の指図ありきではない。そもそもあの二人に関しては本来の入局過程、捕獲を経たものではない。

むしろかぶとやみんみん、なみえ、まいまいは何故東中央による虫憑きの戦いで役に立ってないんだ。